国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
アニウスは、いかにも正式な礼をとっているという風に、重々しく頭を上げて、真剣な顔つきでマルスに近づくと、
実は折り入って申し上げたいことがございます、と言いながら、マルスの傍近くに寄ってきた。
何か、重大事件でも起きたのかと、マルスも気を引き締めて、アニウスに体を寄せる。
「マルス王。あなた様も、まもなく御年20歳になられます」
年齢の話をふられた時の話の続きは、いつも同じだ。
今まで何度となく繰り返された台詞に、マルスは嫌気が差して、アニウスの言葉をさえぎった。
「もうよい。出て行け」
「マルス様。これは大事な話でございます」
「俺に結婚せよというのだろう。今度はどこの誰との縁談だ?メヘト大臣か?モール将軍か?
それとも他国の王女と政略結婚でもするのか?俺はまだ結婚する気はない」
マルスは、もとのように長いすに体を沈めると、出て行けとばかりに掌をひらひらと舞わせた。