国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

だが、聡いマルスには、それも自分が招いた結果であることを理解していた。

一度に全てを変えることはできなくても、

一つ一つならば自分にでもやっていけると自信を持っていた。


しかし今、その自信はもろくも崩れ去ろうとしている。


血の繋がりに、期待していた甘さもそうだが、

よくよく考えてみれば、重臣のほとんどは、前王である彼の父に仕えていた人間で、


マルスを信頼して、あるいはマルスが信頼を置いて重臣に据えた者など、一人としていなかった。



・・自業自得、だな。



マルスはアニウスを切り離したことで、

明日から、ほとんどの重臣を、敵に回して、政を行わなくてはならない。

覚悟はできた。


アニウスと一緒に、うまい汁を吸ってきた連中を切り崩さなくては、

彼の思うような改革など夢と消えてしまうだろう。



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