国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
レアには、一種独特な、透明の壁のようなものがあり、みな遠慮して、そういう類の話題を無意識に避けてしまう。
それはおそらく、彼女が心から神に仕えようとする、生真面目な人間であると同時に、
一般の人間を魅了する力を秘めた、彼女自身の本質的なものに関係するのだろう。
誰もが、清廉な彼女の心を、侵してはならない神聖な領域であると無意識に感じてしまうのだ。
一方サラは、自分からはそういう会話をしないが、
なぜか皆、彼女には遠慮なくその手の話をしたがった。
聞き上手であるうえ、人をよく見ている彼女は、その人間がどういう言葉をほしがっているのかを、即座に理解することができる。
だから、レアに比べれば、少しは男女の営みについての知識も持っていた。
「人を好きになるなんて、素敵なことじゃない。
私もあなたも、両親が愛し合ったから生まれてきたんだよ。
例え、巫女であっても、神様が愛をお許しにならないほど狭量だとは思えないわ。
レアは、好きになったのが、たまたま王様だったってだけだもの」
サラの言葉を、一言一言噛み締めるように、レアは頭の中に刻み付けた。
それは、今までのレアの苦しみを救い上げる、新たな真実との対話であった。
小さな窓からは、星たちが、二人の少女の未来に、そっと声援をおくっていた。