国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
サラが部屋を去った後、レアは一人夜空を眺めていた。
『人を好きになるなんて、素敵なことじゃない』
本当にそうだろうか?自分は、巫女なのに?
『好きになったのが、たまたま王様だったってだけだもの』
あまりに大きな身分の隔たりがあるのでは?
『俺の妃になってほしい』
そんなことが、許されるのだろうか?
しかし、よくよく思い出すと、“妃”と言われただけで、何人目の、とは言われなかった。
ひょっとしたら、マルスは、自分をもっとも格下の、それこそ存在も知られていないような妃にするつもりかもしれない。
そう考えれば、ディスコルディアの話にも得心がいく。
多分、妹姫を、正妃にすえるおつもりなのだろう、と考えて、レアは自嘲した。
どうも、自分は、ディスコルディアに張り合うつもりだったらしい。
はなから、相手になどならないのに・・。
それが、嫉妬という名の感情であることを、レアはまだ知らなかった。