国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

レアのもどかしさに呼応するかのように、緩やかな風が頬を撫でていく。

しかし、それは生暖かく、一種狂気をはらんだ匂いがして、レアは胸がざわめいた。

風に流された雲が、月の光をさえぎると、ほんの数拍、暗闇に覆われる。




「そこにいるのは誰だ!」


突然、暗闇を打ち払うかのような、神々しい声があたりを支配した。

レアの体は、雷に打たれたように、髪の毛一筋動かすことができない。


それは、決して聞き間違えることのない男の声。


再び、地面に光がさしたとき、彼らは、時が止まったようにお互いを見つめたまま、その場に立ち尽くした。


「レア!」


「だめです!来ないで!」


駆け寄ろうとするマルスに、レアはとっさに、拒絶の意思を表した。


「いけません・・・。来ないで・・」


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