国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
夢にまで見た愛しい女が目の前にいると言うのに、
まるでくいで打たれたように、マルスは、その場から一歩も動けずにいた。
レアは、固まったマルスを見据えたまま、震える足であとずさる。
「待つんだ、レア!」
マルスは、置き去りにされる子供のような、必死の形相で、レアをなんとかひきとめようとする。
ほんの数十歩。
手を伸ばせば届きそうな距離にいるというのに、レアは、自分を受け入れようとしない。
走れば捕まえられる。そう思い、マルスは、前かがみになって、駆け出そうと姿勢を整えた。
「だめです。来ては・・・だめ」
レアの瞳は、大きく揺れ動いて、月の光に反射しているように見える。
・・泣いているのか?
マルスは、なんとしても、レアをこの腕に抱き寄せたかった。
そうしないと、この儚げな月の女神は、このまま消えてしまいそうな気さえする。