国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

レアは、俯いたまま、固まってしまったように動かない。


今更、計画を変更することもできず、ロカは、うまくいくように祈りながら、最後の予定だった言葉を口にした。


「で、どうする?」


長い長い沈黙。

レアは、顔を上げず、じっと何かを考えている様子だ。

じれたロカは、レアに言わせるつもりだった台詞を、自ら口にしてしまった。


「なぁ、あいつに、会った方がいいんじゃねぇの?

ひょっとしたら、今生の別れになるかもしれないんだぜ?」


レアは、答えない。みじろぎもせず。

珍しく、ロカは焦りを見せた。


普段は自分が人を手玉に取っているが、どうもレアを前にすると調子が狂う。

予定通り、彼女を無事に連れて行かなければ、妻に半殺しにされるってのに。


「そりゃな、あんたが会いに行ったら、ナナスの命だって、危険にさらされることも考えられるさ。

でも、ナナスだって、父親の顔も見ずに、一生を送るなんて、かわいそうじゃないのか?

もしものときは、俺がこの剣で守ってやるし」


ロカは、腰にはいた剣を、持ち上げ、笑おうとして・・・失敗した。

レアは、なおも動きを見せない。ロカは半笑いのような間抜けな顔で、頭をかいた。



・・あちゃ~。

どうすりゃいいんだ?



ロカが、両手を挙げてあきらめかけたとき、レアが静かに顔を上げた。

迷いのない、碧の瞳。




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