国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

マルスの部屋の入り口は、薄暗く、レアは、目が慣れるまで、そこから動けなかった。

窓から差し込む、月明かりだけを頼りに、レアは、姿勢を低くして、一歩一歩部屋の中を進んでいった。


部屋の奥から、燭台の明かりが漏れている。

レアは、その光に吸い込まれるように、一直線に足を進めた。


目に留まった寝台の上に、人影が横になっているのが見える。


レアの心臓が、どくん、と一つ、大きく跳ねた。

あっという間に、体温が急上昇して、心臓がせわしなく収縮を繰り返し始める。



・・落ち着いて、落ち着いて!



何度も自分自身に言い聞かせて、レアは、最後の一歩を踏み出した。

枕元まで行くと、横になっている男の顔が、はっきりと灯りに照らし出されて見える。


昔と変わらぬ、端正な顔立ち。

ほんのわずか、尖った顎がなければ、昨日別れたばかりだといっても、違和感がないほどだ。




「・・・スさ、ま」





< 482 / 522 >

この作品をシェア

pagetop