国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
太陽が傾いて、あたりが薄暗くなってきた頃、レアは、王宮の内側にある枯れ井戸から、頭を覗かせていた。
一面に白い花が咲きみだれる花園。
レアは、息をのんだ。
初めてマルスと出会った思い出の場所。
昔と変わらず、いや、それ以上に見事に。
美しい花々が、これでもかというくらいに、一面に群れ咲いている。
レアは、浮かんできた涙を振り払った。
こんなところで、泣いている場合ではない。まだ、ここに来た本当の目的を果たしていないのだから。
レアは、慎重に井戸から出ると、周囲に気を配りながら、マルスの部屋を目指した。
・・どうしてこんなに、静かなのかしら。
王宮の中は、静まり返っていて、人の気配が感じられない。
マルスの部屋の前につくまでに、レアは一人の兵士にも、一人の侍女にも会うことはなかった。
驚いたことに、マルスの部屋の前でさえ、護衛の兵士が見当たらない。
何かおかしいと感じながらも、この機会を逃せば二度とマルスに会うことはできないかもしれないと思い、
レアは、音がしないように、扉をそっと開いた。