あなたの玩具
「あなたは?」





メアリーは僕に聞いてきた。僕には名前というものはなかった。





「じゃあ、ライオンさんね」





僕の名前はライオンと名付けられた。





「あなたの前のご主人は酷い人だったのね」

「え?」





僕は首をかしげた。





「両腕、両足、尻尾まで。もぎとられて。許せない。」





メアリーの顔はだんだん恐ろしくなってきた。





「みんなを見て!みんなね。あなたと同じ様に前の主人に酷い目にあわされて捨てられたの。私も。」

< 10 / 25 >

この作品をシェア

pagetop