転んだら死神が微笑んだ
赤信号のところで、知春さんは電話をかけていた。

知春「あ、もしもし。四ノ宮ですけど。…はい、そうです。久しぶりにちょっと調べてほしいことがあって。…いえいえ、今回はただ調べてほしいだけですから。…はっは。そんな、前みたいに悪いことはしませんよ。」

何してたんだろう…。誰に電話をかけているのか、すごく気になった。

知春「…ええ、お願いします。名前はサカグチ ヤスヒロ。…漢字は〜…」

知春さんが、わたしのほうを見てきた。

わたしは首を横に振った。

知春「わかりません。…はい。なんか、子安賢一郎と関係のある人物みたいです。…ええ、そうですよ。あの子安ですよ。…ハハハ。そんな『面白いネタ』かなんて、知りませんよ。ねえ?」

そんな、わたしに同意を求められてきても…。

それに、あんなこと言えるわけがないし。

知春「…はい。お願いしますよ。頼りにしてますから。…はい。失礼しま〜す。」

ピッ

知春「ちょっと、携帯持っといてくれる?」

あかり「はい。」

電話中に青信号になっていたので、話し終えると知春さんは、わたしに携帯を渡してきた。

その携帯が、なにか悪いもののように見えたのは、たぶん気のせいだろう…。

知春「たぶん。早いうちにわかると思うよ。結構、頼りになる人だからね。」

あかり「いったい、どこに電話をしてたんですか?」

知春「『情報屋』ってとこかな。」

あかり「情報屋?」

知春さんは、冗談だよって笑っていたけど、きっと、冗談なんかじゃないだろう…。
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