月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
『ルノワール』を出た時にはもう夜の10時を回っていた。
しかし今夜はいろいろな話を頭に詰め込まれたような気がする。
これが仕事だから仕方ないけど。
あたしは多少は気晴しになるかと思って軽くアタマを叩いた。
「どうする達郎、まだ行くとこある?」
そう声をかけたものの、達郎は手にしていた何かを眺めたままで、あたしの話なんかこれっぽっちも聞いちゃいなかった。
「なに見てるの」
のぞきこんだそこには小山洋子の名刺。
そういや帰り際に渡されてたな。
渡されたというより、押しつけられた感じだったけど。
「レミにあげる」
達郎は名刺をあたしにさし出した。
「いらないわよっ」
ホステスの名刺をあたしに渡してどーする。
「オレだっていらないんだよ」
思い切り迷惑そうな顔をする達郎。
なんだか小山洋子が気の毒になってきた。
「せっかくなんだからもらっておきなさい」
あたしは諭すように言った。
しかし今夜はいろいろな話を頭に詰め込まれたような気がする。
これが仕事だから仕方ないけど。
あたしは多少は気晴しになるかと思って軽くアタマを叩いた。
「どうする達郎、まだ行くとこある?」
そう声をかけたものの、達郎は手にしていた何かを眺めたままで、あたしの話なんかこれっぽっちも聞いちゃいなかった。
「なに見てるの」
のぞきこんだそこには小山洋子の名刺。
そういや帰り際に渡されてたな。
渡されたというより、押しつけられた感じだったけど。
「レミにあげる」
達郎は名刺をあたしにさし出した。
「いらないわよっ」
ホステスの名刺をあたしに渡してどーする。
「オレだっていらないんだよ」
思い切り迷惑そうな顔をする達郎。
なんだか小山洋子が気の毒になってきた。
「せっかくなんだからもらっておきなさい」
あたしは諭すように言った。