月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
てか、ノンスモーカーで下戸で甘党の男ってのはみんな懐に甘い物を忍ばせているのだろうか。

そんなことを考えていると、達郎は2本のうち1本をあたしに差し出した。

「レミ、これ食べろ」

時間は夜の7時近く。

確かに小腹のすく頃だが、達郎にこんなこと言われるのは初めてだった。

真意を計りかねていると達郎はこう言った。

「人間ってのは糖分が足りなくなるとアタマが回らなくなるらしい」

う。

やっぱちょっと怒ってるかも。

ここは従っておこう。

あたしは素直にスニッカーズを受け取った。
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