プライベート・スカイ
彼女が怒るのも無理はない。

同棲したいっていう彼女の希望はオレの都合で叶えてやれず

仕方なく設けた週イチのお泊まり日。
一人暮らしの彼女にしたら、それだけでは寂しいし足りないのは知ってたけど───

「うん、ゴメンな。わかってたんだけど急に先輩に飲みに誘われちゃって」

「だったらメールくらいしてよ!晩御飯冷めちゃったじゃないの」

「ゴメンな、それ食べるよ。せっかく美夜が作ってくれたんだし」

「無理して食べてくれなくていーのに!」

怒ってるせいか素直じゃない彼女。
あんまりしつこいようならオレも帰るつもりで、最後にもう一度だけ優しく言った。

「美夜が作ったご飯が食べたいんだよ」

「…だって飲んできたんでしょう?私と食べるご飯より、先輩を優先したんじゃないの」

いつまでもそんな事を言う美夜が面倒になって、オレはため息をついた。

「じゃあオレ帰るわ。今日の泊まりはナシ。またな」

「えっ、透依…まっ、待って…」

急にそんな悲しそうな顔されたって、もう遅い。
オレの'悪かった'って気持ちだって冷めるし、何を言ったってオレを責め続けるんじゃ

美夜だって一緒に居たくないだろ?



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