プライベート・スカイ
きっと無理に一緒に居たって、美夜はオレにムカつくと思うし。

それでも美夜は慌ててオレを引き留めようとした。

'しまった'

って顔しながら。

「ねぇ待ってよ。私ずっと透依が来るの待ってたんだよ?だけど遅れてきたのは透依だし、少しくらい私も怒ったっていいじゃないの。

そんなので帰るの?」

「…今日は一緒に居ない方がいいよ。美夜だってそう思うだろうし…じゃあな。またメールするから」

美夜の説得にも応じず、オレはさっさと美夜の家から出ていった。

あーあ…
また泣かせたかな…

そんな予想はできる。わかっていても、彼女をキズつけてしまう。

何が悪いんだろうな。お互いの為に良かれと思ってのオレの行動は

今まで付き合ってきた女をいつもキズつけ、泣かせていた。

でも、もう遅い。何をしても美夜は泣いてるだろうし。
…帰ろ。





時計を見ると、もう終電過ぎていた。

迷わずオレはタクシーを拾い、自宅へと戻った。






昔ながらのオレの家はムダに広い。

長い塀が続く先に現れたムダにデカイ門の前でオレはタクシーを降りた。

声をかける事なく門は自動で開いていった。

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