プライベート・スカイ
いや…佳依は別だったな。

信用がないのはオレとお袋だ。




『青山家』は昔からの大地主で
いくつかの会社を持っていて、教師でも医師でも政治家でもないのに父親は『先生』と呼ばれるような名家。

はっきり言って、ウチには金があった。
裏ではかなり悪い事もして、ここまで大きくなったんだろう。

逆に足元を見られないようにと、常に身辺をクリーンにしておこうと異常に用心する親父は

息子達の部屋を毎月ランダムで捜索する。

お目当てはドラッグ。大麻…などなど。

何が命取りになるかわからないって理由で。

だけど呆れるよ…

買う側というだけでなく、息子が売る側になってないかどうかパソコンまで見るんだから。

おちおちエロ画像も保存しておけねーや。



そんな中、佳依は親父のお気に入りだった。

オレの一つ年下の佳依。次男だけど、親父はオレではなく佳依に後を継がせる気らしい。

おかげで長男なのにオレへの扱いは酷いものだった。

佳依は大学卒業後、親父の会社に入社。後継ぎとしての教育をしているのに対して

オレは親父の息のかかった子会社に強制で入れられた。

子会社って言っても、一応は上場企業だったけどな。
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