プライベート・スカイ
あの時のレイナが言ってた事って…やっぱりオレ酔っ払って聞いてたのかな。

べ、別にレイナが好きとかって話しじゃないんだ。

ただ気になってるってだけで。

そう自分に言い訳しながら、オレはレイナがいる店へと行った。



──が。

店はシャッターが閉められ、明らかに休みだった。

…なんなんだよ。
なんかオレ、バカみたいだな…

休みじゃん。

これももしかして、キャバ嬢レイナの手口なのか?

その気にさせて、自分の顧客を作る…みたいな感じで。

それに引っかかったのが、バカで単純なオレみたいなヤツってワケだ。

急に気持ちが萎えて、オレはすぐに元来た道を戻った。

これから美夜に会いに行こうかなぁ…

うん。そうしようか。

オレはタクシーを捕まえようと走る車に目を向けると、車線をはさんで向こうの歩道から男女の言い合う声が聞こえてきた。

かなりの大声。

夜だし、タチの悪い男にでも絡まれてるのかと心配になったが

よーく聞いてみると、ただの痴話ゲンカのようだった。

…こんな所でケンカすんなよなー

それ以上は見るのを止めて、車道に目を向けようとした時

ケンカしていたカップルの、女の方が走り出した。
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