プライベート・スカイ
眠くもならないし、起きてるかどうかも判らない。

今が朝なのか、夜なのかもわからないし

お腹も空かないから食事をとった記憶もない。

全てが曖昧で
全てがどうでもいい世界

眼に映る全てのものはグレーで、自分が生きてる事さえ呪いたくなる。

佳依が部屋に残したPCからSweetPainの全てが明らかになって

主犯格の佳依と実行犯のレイナが死んだ事で事件は一応の結末を迎えていた。

一人、重要参考人として『アズマ』という男の行方を聞かれたけど

初めて聞く名前だったし
'知らない'とだけ答えた。

結局、捜査が進むにつれオレが無関係だという事も証明されて、事情を聞かれる事はなくなった。





そして
誰もオレを訪ねてくる奴はいなくなった…


親父もどこかに行って家には戻らない。
松江さんにも辞めてもらった。



何にも無くなった。
全てを失ったんだ。

命を持っている事が煩わしい。呼吸をしてる事が苦痛だ。

消えて無くなりたい。オレを消したい。

どうしてこんな事になるんだ…

あの時、もっと二人を見て守ってやれば良かったんだ。

自分が辛かったからって突き放した。だからこんな目にあっている。

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