プライベート・スカイ
「あたしちゃんと生きてる!ねぇ、大丈夫?!救急車呼ぼうか?!」

「…なんだ
まだ…生きて…んの…か。…ほっといていい…よ」

まだだったのか。
がっかりだな。

「ほっといたら死んじゃうよ!!いつからこんな風なの!?」

「さあ…な。ほっとけよ…そのうち、死ぬだけだから…」

「バカな事ばっか言ってないでよ!!死んでどーすんの!?」

「…どーもしない…ただ居なくなるだけだ」

「ふざけんな…ふざけんな!!」

アマゾンは今にもオレを殴りそうな剣幕で怒鳴った。

いっそのこと殴り殺されてもいいかな、なんて思ってしまう。

でも、それじゃアマゾンが可哀想だよな。

「こんな事、何の意味もないんだから!勝手に死ぬなんて許さないから!!」

「じゃ…殺してくれる?」

「!?」

アマゾンが驚いた顔を見せた。──当然か。

「嘘だよ…早く帰れよ…オレは死ぬから、こんなオレが死ぬとこなんて見なくていいから…さ」

「…っ…!!」

アマゾンが泣いていた。手に力を込めてオレに抱きつく。

「悪いな…オレは…もう…」




生きる意味も価値もないんだ…




アマゾンは



震える手で、オレにキスしてきた。

< 351 / 379 >

この作品をシェア

pagetop