プライベート・スカイ
キスをしながら
アマゾンの涙が頬を伝って唇を濡らす。

その感触に、ただオレは戸惑うだけだった。

「…アマゾ…」

「死ぬなら死ねばいいよ!」

「え?」

「あたしの知らない所で、勝手に死んじゃえばいい!

でもその前に、あたしと付き合って!」

「は…?」

「さ、3ヶ月でいいの!あたしを青山さんの彼女にして!その後なら、青山さんの好きにしていいよ!

どっかで自殺でも何でもすればいいし」



──『3ヶ月』…



オレもそうレイナに言った。

『とりあえず3ヶ月』

あの時はこの世にレイナを引き留めておきたくて
オレが何とかしなきゃって思って、そんな事を言ったな…

アマゾンも同じ意味で言ったのかもしれない。



別にオレの事が好きなわけじゃない。
アマゾンには他に好きな奴がいるんだと思う。

だから同情してるだけだ────

わかってる
わかってるのに───





あの時の気持ちが鮮明に思い出されて
涙が溢れてきた。



「…っ…」



レイナの世界を変えてやりたかった。

生きる意味を見つけさせたかったんだ…








『お試し期間って事ね?私と恋愛ごっこするって言うの?』
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