ウェンディ~君に贈る花~
僅かに開けていた窓から、器用に一羽の白い鳩が入り込んできた。
その鳩は机に置かれたティーカップの横に着地した。
「これは……」
その足には鍵を通した紐が巻きつけられている。
鳩が怯えていないことを確かめてから、そっとその鍵を取り外した。
(迷い込んだってことはないよな)
俺に鍵を届けるために送り込まれたのだろう。
一体誰が、何の目的で?
鳩は役目を果たしたとわかったのかまた窓から飛び立っていった。