イジワルな恋人
……亮の友達?
友達……いるのかな?
なんかいつも一人だし、あんまり誰かと一緒にいるの好きじゃなさそうだけど……。
「……期待できないけど、一応聞いておくね」
あたしの言葉に、梓の顔が急に明るくなった。
「本当?! ありがとー、奈緒!」
梓のあまりの喜びように、あたしは思わず笑う。
『9時10分から開会式を第一グランドにて行います。
生徒は遅れないように、チームごとに整列してください。
繰り返します……』
「あ、いよいよだね」
梓が青のハチマキを鞄から取り出す。
「行こっか」
あたしもハチマキが入ってる事を確認して、教室をでた。