イジワルな恋人




月曜日は朝から雨が降った。

朝の天気予報ではまだ梅雨入り宣言はでなかったけど、今週の週間予報は雨マークでいっぱいだった。


リビングでソファーに座って、外を眺める。

雨粒が窓ガラスに止まっては流れていくのを見ていた。


しばらく眺めていたけど、ニュースが耳に入ってテレビを振り向く。


『昨夜3時頃、渋谷区でアパートのポストが燃えているとの通報があり、かけつけた警察官が近くにいた21歳の男を逮捕しました。

男は、一方的に想いを寄せていた女性に冷たい態度を取られた事を根に持ち……』

『ストーカー、放火、と聞いて思い出されるのが三年前の放火事件ですね。

仲のよかった家族三人が犠牲になりました。

今朝は朝から雨ですが、まるで再びの放火に涙しているような…………』



アナウンサーとコメンテーターが、作ったような悲しい表情で話している事に嫌気が差して、また外を眺める。


……三年もすればこんなもんだよね。これなら学校行けたかな。

明日、梓にノート写させてもらわなくちゃ。


そんな事を考えながら、煩いテレビを消して食器を洗おうとキッチンに向かった。


雨の音だけが響く部屋は、どうしょうもなく寂しさを誘う。


シンクの前に立った時、キッチンの隅に置いてある手紙に気づいた。





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