イジワルな恋人
「こいつら職員室に連れてった後、警察に連絡しろ」
亮の言葉に、男達が連れて行かれていく。
「まぁ、恐喝とか暴行未遂で捕まんじゃねぇ?」
あたしの前にしゃがんだ亮が笑う。
涙を浮かべたあたしが見上げると、亮は急に心配そうな表情を向けた。
「……大丈夫だったか?」
「……大丈夫じゃないよ! いっぱい触られたし、キスだってされそうになったんだから!
……もうやだ。本当に男なんて大っ嫌い!!」
瞳から溢れだした涙がポタポタと落ちて地面の色を変える。
「……一応必死に探して助けたのに、大っ嫌いはねぇだろ」
亮は笑ってそう言うと、あたしの涙だらけの顔を自分のYシャツの袖で拭いた。
怖がらせないようにか、そっと涙を拭く亮をじっと見つめる。
「……亮もああいう男達と同じような事……考えてるの?」
あたしの言葉に、亮は少し戸惑いながら答えた。