さみしいよダーリン★
そう言うと、お父さんは少し驚いた表情になった後、微笑んだ。



「あの子が、男にそんな風に思わせるなんてな。いつのまにか、大人になり、家を出ていってしまった。」



お父さんは、目を細目、窓の外を眺めながら


「そうか・・・・そうか・・・・」


と呟いていた。





───────────・・・・



その夜、お母さんは布団を2枚敷いてくれたけど、俺たちは、1枚の布団で抱きしめ合って眠った。



でも、俺はなかなか寝付けなかった。



「歌乃?」



モゾッと歌乃が動いた。



「ん?」


「なんだ。寝付けないのか?」


「・・・うん。」



それでも少し、眠たそうな声だ。




「澄人も?」


「あぁ。・・・・・なぁ、歌乃。」


「なに?」


「昼間の話しだけどさ。」


「うん。」


「あれ、本当?」



俺が寝付けないのには、昼間の歌乃の発言が理由だ。



《澄人との将来には、不安があるの・・・》



確かに、ずっと仕事のことを隠していたから

突然「社長です」って言って、結婚の話しても、不安なのは



わかる。


でも、少し、いや


かなりへこんでる俺がいるんだ。



「本当だよ。」



あ〜・・・涙出そう



へこんでる俺をさらにへこませる歌乃。



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