その手に触れたくて
10

青々と広がる空にサンサンと照りつけてくる太陽があまりにも眩しい。


2学期になって毎朝、隼人が家まで来てくれて一緒に登校する。

休み時間、昼休みは夏美と居る事がほとんどだけど下校は必ず隼人とする。


駅にあるショッピング街を歩いたり、ファーストフードに入ったりカフェに入ったり、一般的にする普通の毎日を送ってた。

特に隼人に要求する事なく隼人と一緒に居れるだけで、ただそれだけであたしは幸せだった。


2学期に入ってもう少しで1ヶ月が過ぎようとしてたその時だった…


あたしの前に事件が起こった。


放課後、担任に呼ばれたって言ってきた隼人をあたしは教室で待ってた。

椅子に座って待つ事、数分…


ただあたしは机の上にある隼人とあたしの鞄を抱えて顔を伏せてた。

だけどあまりにも退屈してきたあたしは、職員室の前で待つ事を考え、2つの鞄を持って教室を出た。


ちらほらと何人かの生徒が姿を現す中、あたしは見たくもない物を見てしまった。

ううん…

もっとも会いたくない人物に遭遇してしまった。


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