その手に触れたくて
暫くして隼人が足を止めたのは隼人の家の前だった。
自転車から降りると隼人はあたしの鞄と自分の鞄を持ち家の中へと足を進めて行く。
「何か飲み物持って行くから美月は先、部屋行って」
「うん」
玄関で靴を脱いでいるあたしに隼人は言う。
隼人に従って部屋まで足を進めようとした時、
「あっ、美月ちゃん」
背後から明るい声が聞こえた。
クルッと振り返るとそこには隼人のお母さんが微笑んでいた。
「あ、お邪魔します」
「はい。どうぞどうぞ」
そう言ったおばさんはリビングに入ろうとしていく隼人の頭をコツンと拳で叩く。
「痛ぇなっ!!」
「あんた、サボるのに美月ちゃんをまき込むんじゃないよ」
「うっせぇなぁ」
隼人は不機嫌な顔をしリビングへと足を進めて行き、そんな光景に思わずあたしは苦笑いをした。