その手に触れたくて
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Γだからね、ね。ちょ、聞いてんのナオ!!」
Γあぁ」
Γでさ、昨日したのにさっそく取れたんだよ?ありえないでしょ?!ねぇ、ナオってば!!」
Γうっせぇなぁ…」
久し振りに登校して教室に入ると、机にうつ伏せになってる直司の前で、夏美は頬を膨らませながら自分の手の爪を見てた。
Γうっせぇって何?あたしが話してんだよ?」
Γつーか眠ぃんだよ…」
二人の何だか分からない会話に思わず苦笑いをし、自分の席に鞄を置いた時、
Γあー!!美月じゃん!!おはよー」
そう言って声を張り上げながらあたしに近づき、夏美はあたしを抱き締めた。
Γ…おはよ」
Γもー寂しかったよぉ」
夏美はそう言ってあたしの頭を何度か撫でて、身体を離す。
Γごめんね…」
Γううん。良かった…元気そうで」
夏美はさっきよりも声のトーンを落とし、薄らと笑った。あの日、相沢さんと3人で会った日から一回も夏美と出会ってなかったから、夏美は相当心配してたんだと思う。
何回かメールも入ってたし…
Γ…はよ」
不意に聞こえた声にゆっくり振り返ると、そこには口角を上げてあたしを見つめる直司がいた。
Γあ…、おはよ」
そう言ったあたしに直司は優しく微笑んだ。