その手に触れたくて

次の日、終業式が終わってすぐにあたしは隼人の病院へと向かった。

向かう途中、昼ご飯の為コンビニに寄って飲み物のカフェオレとサンドイッチを買った。

買ってすぐに隼人の病院に行き隼人が居る病室へと向う。


隼人の病室の前まで来ると何故だかドキドキと胸が高鳴る。2日会ってないだけに何だか変な緊張が走る。

それは昨日買ったクリスマスプレゼントを渡す所為なんだろうかは分からないけどドキドキした。


軽く一息吐き、コンコンとノックをするとすぐに隼人の返事が聞こえ、あたしはゆっくりとドアを開けた。


Γ…隼人?」


そう言って囲んであったカーテンを手の甲で少し開け覗き込む。


Γおー、美月」


隼人は手に持っていた雑誌をパタンと閉じてベッドの上に置き口角を上げた。


Γ元気?」

Γ当たり前」


そう言ってフッと笑う隼人が凄く愛しく思えた。

まだ顔の傷は残ってるけど目の前の元気な隼人を見て安心すると同時にあたしの顔から柔らかい笑みが零れた。


Γ昨日、来れなくてゴメンね」

Γ全然。夏美と居たんだろ?」

Γえっ?知ってたの?」

Γいや、知らねぇけど俺の勘」


そう言った隼人に思わずクスクスと笑った。


< 358 / 610 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop