その手に触れたくて
Γちょっ、隼人!!」
奪われたサンドイッチをあたしは目で追う。隼人の手にあるサンドイッチはそのまま隼人の口へと運び、
Γ美月はそっちな」
そう言って隼人は病院食をツンツンと指差す。そんなクスクス笑う隼人にあたしは頬を膨らませた。
Γ何でよ!隼人のじゃん!なんなら食べさせてあげようか?」
さっきとは打って変わってすぐに笑みに変えると隼人はあたしの額を軽く押した。
Γバーカ。そこまでガキじゃねぇよ」
そう言った隼人はあと一切れ残っているサンドイッチをあたしの手に返し、仕方なくといった感じに箸を持って進めた。
Γ美味しい?」
Γ旨くねぇよ」
サンドイッチを頬張るあたしに隼人は不満気に呟く。ある程度食べた隼人のお膳を返してきたあたしは、鞄の横に置いていた紙袋にそっと手を伸ばした。
Γはい、隼人」
ベッドに寝転んでいた隼人に紙袋を差し出すと、隼人はキョトンとした顔付きであたしを見つめる。
差し出す紙袋とあたしを交互に見つめ、
Γ…何?」
混乱したように呟いた。
Γうん…。たいした物じゃないんだけどさ、…クリスマスプレゼント」
Γえ、俺に?」
Γ隼人、以外に誰にあげるのよ」
クスクス笑うあたしは紙袋を隼人に渡す。それを受け取った隼人は、
Γ見てい?」
そう呟き視線をあたしに向けた。