その手に触れたくて

「で、でも…」

「ほんと響、普通だった。ほら、響ってすぐ顔にでるじゃん?だから、なんて言うか…すぐ分かっちゃうんだよね。ほら、直感ってやつ?」

「……」

「でも決めつける事は出来ないけど。でも一度、美月ちゃん達を認めた限り、それをまた引き離そうとする奴じゃないよ?響は…」

「……」

「ほら、響って筋を通さなきゃいけない奴だからさ。自分が言った事を裏返すような奴じゃないよ」

「……」

「美月ちゃんも、分かってると思うけど」


凛さんが言った事に思わず心の中で頷いてしまった。

兄妹だからこそ分かる事ってあると思う。凛さんが言うようにお兄ちゃんはそう言う人だ。


「すみません。変な事聞いて」

「ううん」

「あの、お兄ちゃんには言わないで下さい」

「うん、言わないよ」

「じゃあ…」


凛さんに背を向けて行こうとした時、


「美月ちゃん?」


その凛さんの声であたしはゆっくり振り返った。


「大丈夫?」


そのさっきよりも表情を崩した凛さんにコクンと頷き、あたしは足を進めて歩き出した。
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