Over star

マサは種族のことを話しかけたが、それを知ったら、リトは明らかに自分を避けるだろうと思い、話すのを止めた。


「とにかく。でるなよ」

「じゃあ私、何食べたらいいの」

リトは困ったように言う。


マサが口を開きかけたとき、右のほうから物音がした。


(カバスカだっ・・・)

そう思ったマサはとっさにリトを切り株から突き飛ばした。

「きゃぁっ!?」

驚いてしりもちをついているリトに、マサはリトの口をふさぎながら小声で話した。


「この裏に隠れていろ。何があっても物音を立てるな。」

口をふさがれたままリトはコクリと頷いた。


次の瞬間、木の向こうからカバスカが現れた。


「マ~サ!!」

「俺はマーサじゃない。マサだ」

「分かってるよ!!ったく、マサのノートびっしり書いてあって写すの大変だったんだからな~~?」

「寝てるほうがわるい」

「ま~そ~だけど」


< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop