Over star
カバスカはそう言って、切り株に腰を下ろした。


リトは一生懸命自分の口を押さえながら気配をもみ消した。

「俺ら、もうすぐ15じゃん?殺人鬼になるのもそろそろだよな~」


マサは切り株の向こうにいるリトのことを想像してすこし青くなった。

「…だな」

「俺さ~、もっといろんなことしたかったな~。子供も持ってみたかったし」

「カナルってどうやって子供つくるか知ってるか」

「さぁな~。俺も父さんの顔なんてしらねぇし」

「無理やりナズルの女と交わるらしいぜ」

「うっわ!最悪!」

そう言ってカバスカはわざと肩を震わせた。


マサは、わざと「ナズル」とか「カナル」という、リトの知らない言葉を使って話した。

「んで、ナズルの女は、その子供を産んだあと、その子供の父親であるカナルの男に殺されるんだそうだ」

「じゃあ俺もそうやって生まれたんだ…」

「その子供は、いつの間にかこっちの村に連れてこられるらしい」






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