廃陸の旅団
マールの叫びに応えるかのように、倒れた神木が激しく光り輝く。

その中から女性のシルエットが浮かび、光の中から髪の長い美しい女性が現われた。

「まずは代価をもらおう。我を呼んだ者よ、治癒にかかるフォースをそなたのフォースから貰う、不足分は生命力からじゃ。それでもよいな?」

「はい………構いません。」

「よいだろう。」

ドリアードがマールに息を吹き掛けると、マールからドリアードへとフォースが移っていく。

代価を受けとるとドリアードはカムイの傷口にまた息を吹き掛ける。

「カムイ……頑張って。生きて、死んじゃ嫌だ。」

目も眩むような光りが弾け、カムイに突き刺さった枝は光に掻き消されるかのように朽ち果てた。

そして傷口が見る見る塞がり、カムイの顔に生気が戻っていく。

「つ、うぅ。…………はっ。ここは?」

カムイが目を覚ますとマールやリリー、それに聖戦騎士団が自分の顔を覗き込んでいた。

「願いは叶えた。我はいくぞ。」

また、神木が光を放つとドリアードは消えていた。

「マール様、お体は大丈夫ですか?」

リーダーが聞くとマールは手のなかのブルー・スフィアを見せた。

スフィアはピキッと音をたてヒビが割れ、粉になって消滅した。

「スフィアがほとんどの代価を払ってくれたみたい。私は全然平気よ。」

するとリーダーがカムイに手を差し伸べ体を起こす。

カムイはまだ体に力が入らないようでリーダーに体を支えてもらった。
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