廃陸の旅団
「気付いてましたよ…自分が呪術依存をしていること。今まで気付いていて放ってきたんです。」

アストンは傷ついた身体を無理矢理に立ち上がらせる。

「そうかい…で?どうするよ。」

オスカーの問いにアストンは即座に力強く答える。

「あなたを倒します。」

「ほお…そりゃすげぇじゃねぇか。やってみろよ!!」

オスカーが踏み込んだ瞬間に地面が弾け飛んだ。

その土埃が舞うよりも速くオスカーの姿が消えた。

アストンは自身の孔気武具である弓矢を構え、オスカーを迎え撃つ。

「オスカーさんのスピードについていけないのは分かっている。剣と弓の間合いによる劣性も大きい。まずこちらの攻撃は当たらないだろう…ならば取るべき行動は一つ。」

アストンは弓矢をしっかりと構えたまま微動だにしない。

アストンの意図を読み取ったオスカーが動く。

微かな音もなくオスカーはアストンに近づいた。

真正面に堂々と現れ、その振り上げた大剣を豪快に振りかざす。

アストンは必要最低限の動きでそれを躱すが、オスカーの第二撃である蹴りが横腹に直撃してしまう。

「…勝った。」

アストンは激痛にさらされながらも弓矢を離さなかった。

蹴りをくらうのと同時に弓を引いた。
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