廃陸の旅団

神速の化身

真っ暗な門の中。

地中に在るのであろう鉱石に反射して僅かな外の明かりが、足元を仄かに照らしている。

一歩。

また一歩と奥へと進んでいく度に、その光は弱く薄くなっていく。

「まさか暗やみに乗じて…とかセコイ真似企んでるんじゃねぇだろうな。」

オスカーが何も見えない前方に向かってそう言うと、まるでオスカーの声に反応したかのように光が空間を満たしていく。


ケルセウムが丸々飲み込まれてしまうほどの巨大な空間。

その地面からは無数の岩が生え、突起した黒い岩の密林を作り出している。

その中央にある飛び切り大きな岩の上に人が立っていた。
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