廃陸の旅団
その弾き飛ばされた鎖はニーガルを囲うように弧を描き結界を作り出した。

「くらえ『結鎖・氷狼陣』」

結界に溢れだした冷気は超零度の空間をつくりだす。

しかし一瞬にして氷の結界にひびが入ったかと思うと氷は砕け散り、術を破られてしまった。

ニーガルの容赦無い剣撃がジンを襲う。

素早くも華麗なその剣技はジンも思わず見とれてしまいそうになる。

鎖を両手で引っ張るように持ち、棒の様に使いながらジンはニーガルの攻撃を受け流していく。

「ふん。どうやら大なり小なり上達したようだな。こざかしい『フェニクス・テイル』」

渦巻く炎の柱がジンを包み込み回転しながら炎を纏う乱気流を生み出した。

「くそっ『護爆陣』」

ジンは自分の周りに結界を張ると、結界の周囲に爆発を起こし爆風でフェニクス・テイルをかき消した。

しかし、後手に回ってしまったことは大きかった。

術の回避をした時にできた、わずかな隙を見てニーガルが突っ込んできていたのだ。

ニーガル渾身の一撃がジンを襲う。

どうにか鎖で受けたのだが鎖は簡単に引き裂かれジンの腹部をニーガルの剣が引き裂いた。

バシャッと鮮血が飛び散る。

ジンは片膝をついたが態勢を建て直した。
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