廃陸の旅団
「はあっ!!」

振り上げられたカムイの孔気刀が僅かばかりローザスの体皮に傷を付けた。

「私の表皮に傷を付けるとはやるわねカムイ。」

そしていつのまにかカムイの隣に移動していたスクアロがその傷に、扇を突き刺し詠唱を始めた。

「『死疹侵食』」

扇からローザスの体内へと送り込まれた孔気が毒となり、ローザスの身体を蝕んでいく。

ローザスは飛翔すると真下にいたカムイとスクアロを、刃の様な尾を打ち付け弾き飛ばした。

「あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙っ。ア゙ア゙ッ゙!!」

飛翔したローザスは不気味な声をだしながら、両翼を勢い良くはばたかせ乱気流を生み出す。

散々になっていた七人は壁ぎわにまで吹き飛ばされる。

「オ゙ォ゙ア゙ッ゙ッ゙!!」

そうして息を大きく吸うと、辺りの物を飲み込みながら孔気を集め、集約したおぞましいばかりの孔気を地面に向けて一気に吐き出した。

ドォォォォン!!

まるでロケット弾でも打ち下ろされたかのような大爆発が空間に広がった。
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