廃陸の旅団
「もう少し楽しませてくれると思っていたのに残念だわぁ。」

ローザスは地面に倒れている七人を見渡しながらそう言った。

「おや?まだ息があるのね。しぶといこと。」

ローザスはカムイが僅かに動いたのを見逃さなかった。

右翼を強引にはばたかせ、風の刄を作り出した。

風の刄がカムイの身体を切り裂こうとした瞬間。

風の刄は何かに弾かれ消滅した。

「ローザス。私も残念だよ。いつも誠実で思慮深いお前が、力に目を眩ませ悪に手を染めるとはな。」

さっきローザスの風の刄を消したのはハイマンスのようだった。

ハイマンスの手にはピアノ線のように細い糸が絡まっている。

それを一瞬にして編み込み孔気糸の壁を生み出したのだ。

「しかし、今はそんなことはどうでもいい。私はお前を父親として救う。」

ハイマンスの叫びにローザスは笑う。

「お父様でも冗談をおっしゃるのね。でも笑えない冗談ですわ。私を救うですって?それも父親として?今まで散々、軍の為、世界の為と私達家族を放り投げていた奴が今更遅いのよ!!」

ローザスはまた両翼をはばたかせ飛翔した。

そしてまた孔気を吸い寄せ、強大な孔気砲をハイマンス向けて放った。
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