天然彼氏。


(……もしかして、わたしに気を使ってくれてるの?)


そんな風に思えてしまってもおかしくないくらいの態度に、わたしは一気に不安になる。

――でも、君はそんな人じゃないってことは良く分かっているだけに、何とも言えない気分だ。


「……」

ずっと無言で俯いて君の後ろを歩いていると、不意に歩みが止まった。


「……もしかして、本当は行きたくないの?」

長い睫毛を悲しそうに伏せながら、静かに呟く君を見て、ますます胸騒ぎが膨らんでいくのを感じる。

心臓が、胸が――どうしようもないくらい痛くなって……。


「行きたい……すごく、行きたいよ!」


君に誤解されてしまうのが

苦しい。

怖い。


(そんなこと、ないんだよ――)


わたしの中で渦巻く、そんなもやもやした思いを知ってもらいたくて……ぎゅっと強く君の手を握ってみせた。


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