狐面の主人



「……そう難しい事は無い。


ただ側に居るだけでも良い。」



五穂は目を丸くした。

てっきり怒られるか、下働きに回すものかと思っていたからだ。

ましてや何もしなくて良いなんて、自分が此処へ来た意味が無い。



「…そ、そうは参りません…!

主人にお仕えしてこそですっ。


酌でも、炊事でも、何でも致しますっ!」


それを聞き、炎尾は声を上げて笑った。


「はっはははははッ!」


< 39 / 149 >

この作品をシェア

pagetop