狐面の主人



そんなときだった。





リン……リン……


「…?」


どこからか、鈴の音が聞こえてきた。



リン……リン……


檻の前の、橋の向こうから聞こえてくる。



リン……リン……



「………誰?」


檻の隅で縮こまっていた五穂が檻の外を覗いた。

橋の向こうから、誰かが来る。
鈴の音と共に。


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