SUMMER DAYS -24's Outsider Love Songs-
「とにかくユウスケもケンも最悪だよ...」
「ちょっと待てって、一番モテるのはギンじゃないか」
うなだれて突っ伏した巧さんに僕は堪らず言い返した。
「だって、ギンは元ホストだもの、モテて当然だもの...」
ギンはこの春までホストをやっていたが、急に練習スタジオで働いてみたくなり、ホストを辞めたらしい。
今は何やら書類を眺めながら電卓を叩いている。
ギンがこのスタジオでバイトを始めてから、ガールズバンドの利用が増えた気がする。スタジオの店長はその事を喜んでいた。

「...で、ユウスケ。その子は何処で知り合って、今いくつなんだ?」
「知り合ったのは会社だよ。年は21かな」
「...羨ましい...」
その言葉には恨みのような物が込められていた。
「...で、いつするの?」
「はぁ?」
巧さんの質問に僕が聞き返すと、巧さんは机から顔を上げて言った。
「合コンだよ!」
「嫌だよ!」
僕はとっさに言い返してしまった。
「なんで?減るもんじゃない!」
「もう、鬱陶しいよ。 ギンなんとかしてよ」
「ギン!なんとかしてくれるか?合コン」
カウンターを見ると、ギンは電卓を眺めながら声なく、
「めんどくせぇ」と呟いた。
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