SUMMER DAYS -24's Outsider Love Songs-
「ギンさんこんな奴ら放っといて早く行きましょう!」
巧さんはギンに言い寄り、女の子とのカラオケの約束を取り付けさせた。
その日のウチにアポを取ったギンには流石と言うしかない。
「と言う訳で今日は上がりますから」
店長は特に気に留める訳でも無く承諾した。
個人経営の練習スタジオなんて、そんな気楽な物なのかも知れない。
「ユウスケ、ケン、オレはホントはお前らなんか大嫌いなんだバーカ!」
巧さんは嬉しそうに僕らに悪態をついた。
「ホントに子供だな...」
「でも、リーダーだからね」
巧さんは店の扉に手を掛けると、振り返りもう一度嬉しそうに、
「バーカ!」と叫んだ。

「あの人たまにホント面倒くさいよな」
「28にもなって彼女が居ないと焦るもん何じゃないの?」
「オレらもそろそろ行こうか」
外は太陽が傾き出していた。
「うん」
ケンは残りのアンパンを口につっこむと頷いた。ちなみに5個目だった。
「ケンはこれからどうするの?」
「スージーがスパゲティーを奢ってくれるらしいから行ってくる」
「それなのにアンパン5個も食ったのか」
ケンは何故か誇らしげだった。
「ユウスケは?」
「オレはタワレコでも行って帰るよ」
「ふーん」
僕らは帰り支度をしてスタジオを後にした。
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