♂性別転換♀
とっさに逃げる。
ま、まさか、虎ちゃんは俺の唇にキキキキキ―――
「なにすんだよ! 馬鹿!」
「もしかして初めて? じゃあ―――」
一瞬の判断ミスが、生死を分ける。
間合いを詰めてきた虎ちゃんから少しでも離れようと後ずさりするが、壁際に追い込まれて自ら逃げ場を失った。
あっという間に両手を取られて頭上に置かれると、空いている右手で俺の顎を軽く掴まれ。
「キスの仕方、教えてやるよ」
血流が停止した。
みるみると顔を青ざめ、眼には雫が溜まっていく。
徐々に近づく虎ちゃんの顔。
もう、駄目だ―――