♂性別転換♀

俺と視線を合わせたのは挨拶をしたほんの数秒間。


いつからこの部屋にいたのか分からないが、この子は自分の家へ帰るようだ


でも良かった。大翔にも同い年の友達がいたんだな。


あいつ魔法使いだから、友達なんていないもんだと思ってた。


玄関先まできちんと送ってあげてるし、案外優しい面もあるんだな。


「じゃあね大翔。また来るわね」


「うん、二度と来ないでね」


前言撤回。やっぱこいつ鬼畜。


なにごともなく暴言を吐く大翔もすごいが、吐かれた少女もかなりのつわもの。


「あまり舐めた口をきいてると、痛い目見るわよ?」


こちらも負けじと暴言を口にして、何事もなかったかのように去って行った。


何者だあの子は? 大翔を赤子のように扱い、恐れもせずあのような言葉を喋るなんて。
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