◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
教室について、ドアを開けようとした。
けど、俺はドアの窓ごしにみた光景に釘付けになった。
夕日の赤と、晴れ渡っていた空の青が混じり合って綺麗な紫色に染まった教室。
その窓際に座っている女生徒がひとり…
「沖田…?」
そう、俺のクラスの沖田 瞳だった。
何してるんだ?ひとり教室で…
疑問に思いながらも、俺は沖田から目が離せなくなった…
沖田の…紫色に染まった空を見つめる横顔に、一筋の涙が伝った。。
その泣き顔は、俺の胸の奥を締めつけ…
どうしようもなく…綺麗に思えた。
高1でまだ幼い顔つきのクラスのなかで一番、大人っぽい顔つきの沖田だけど…
この時は、完全に大人な表情をした女性に見えた。
沖田は止めどなく流れる涙を、拭うことなくただ、窓の外を見つめていた。