◆紫色の恋空**先生の切ない恋**◆
そして、放課後。
今日は部活がないため、生徒達はちらほらと見当たるだけ。
俺は残っていた仕事を早めに終わらせ、ある場所に向かって廊下を歩いていた。
その場所とは、
―――――ガラッ
最近余計に滑りが悪くなった引き戸を開けた。
そこは、晴天だった青空が…
赤い夕日とグラデーションになった空の紫色に染まった教室。
久々に見たこの紫色に染まった教室。
そしてその教室の窓際の席に腰掛けて、空を見つめる1人の生徒の姿。
「あ、先生。」
「悪いな、待っといてもらってな。」
「いえ、空…見てましたから。」
「そうか。」
振り返った沖田の隣に移動し、同じように机に腰掛け、空に目を移す。
「話って、もしかして…奈々さんの…」
「ん…まぁな。」
俺は、午後のSHRの後…
沖田に、放課後話があると伝えていた。
俺は決めていた。
今日、沖田と話して、ちゃんと自分の気持ちに整理をつけようと。
今日すべて、サッパリさせようって。
男としての俺と、教師である俺のために。