死神少女
「おじさんは行かなくちゃいけないところがあるんだ。…ほら、暗くなってきたし早く帰りなさい」


ー行かなくちゃ、いけない…ところ?


「どこに、行くんですか……?」



半分、答えは分かっていたけど…本屋さんだよ、とか別の回答が聞きたくてそう尋ねたあたしにおじいさんは悲しそうに微笑んだ。



「遠くて、、、きっと、いいところだよ」



やっぱり……おじいさんは死のうとしている。


ゆっくり遠ざかるおじいさんをあたしはただ立ちすくんで見ることしか出来なかった。



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