死神少女
先生のお葬式が終わり、あたしは翌日にでもあのおじいさんを探す事にした。
理由は分からない。ただ、衝動的に探さなくちゃ、と考えた。
どうかまだ生きていて……。
翌日、学校帰りに、おじいさんと二回合った並木道を訪れた。
誘われるように近くのベンチに腰掛けて、おじいさんを待った。
最後に会った時、確かここにおじいさんは座っていた。
何時間、待っただろう。
辺りが軽い闇に包まれ始め、明日にしようと腰を上げた時だった。
あのおじいさんがヨロヨロと1人で歩いてくるのが薄暗い闇からかろうじて確認できた。
良かった生きている。
あたしは近づく彼の頭の上に視線をめぐらせてみた。
ほんの、ほんの微かに、…光っている玉があるように見える。
あたしはゆっくり彼に近寄った。
「おじさんっ」
生気のない顔のおじいさんにワザと明るい声で声を掛けた。
おじいさんはほんの少し笑顔になり「なんだい?」とあたしに視線を合わせてくれた。
自分なりに頑張って、子供らしい声を出す。
「ちょっと、あたしとお話しよっ」
にこっとおじいさんを見つめればおじいさんがとても悲しそうな顔をして首を横に振った。